「幽霊」上映&ワークショップ CINEMA講座シリーズ特別編 2016

大西健児監督作品
「幽霊」
almost ghost REEL-1~3

8ミリ映画
上映時間:2時間30分
2015年制作

◉上映日/2月20日(土)&3月20日(日) 午後6時より
入場料/2000円

ホームムービーへの回帰、あるいは庭先の記録…
ふりかえれば、ゆっくりと朽ちてゆくモノのドキュメントになった。主に2014年から2015年にかけて撮影された三重県伊勢市の極私的記録。
有機的な記録媒体によるクリエイションはその寿命との折り合わせ、シネマトグラフが質量をもった記憶であるかぎり、呼吸を数えるぶんだけ生命を消費し続ける。
99歳になる祖母が死ぬのは後の巻になるのだが、終焉をむかえつつあるフィルムで記憶する終了への過程。既に幽玄の意識に漂う人間の記録てある。

期限切れの同時録音用サウンドフィルム×274本を使用、既に廃品回収へと流れた18台のカメラを含む、28台の何処かしらに不具合のある8ミリフィルムカメラを使役して制作された現時点における極点。全3巻2400ft、2時間42分の視覚体験が三軒茶屋KENにて再上映!

◉銀鉛画報会FILMワークショップ2016 at KEN
開催日/2月21日(日)&3月21日(月・祝)&4月17日(日)
午後3時より(7時終了予定)
参加費/2000円
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GIGAZINE?なんだソレ?どうやらついに新時代の道楽玩具が登場するらしい、デジタルビデオとフィルムカメラのハイブリッド機種の発売だ。ここ20年来の低迷期を乗り越えて8ミリ映画史の再起動とならんや?

三軒茶屋KENに映像の秘密結社・銀鉛画報会が帰ってくる。ゆっくりと消滅する過程をあゆみだしていたフィルムメディアを取り巻く環境がなにやらおもしろい方向へ動きだしたようなので、2月よりスタートする新たなフィルムワークショップでは、とはいいながらもまだまだサバイバル術を必要とするフィルム制作のウラ技講座2016年度版として、これから8ミリ映画作りという贅沢な道楽に首を突っこもうと考えているヒトから、そろそろ手をひこうかと考えていたヒトまで、フィルムが無くなるときのフィルムメイキング基礎知識講座の開催です。
とりあえず、コスト的にはもはや気楽なホームムービーとゆうわけにはいかなくなった8mmFILMとのつきあい方を理解していただくために、実際に撮影から現像、編集、そして上映に至るまでの作業工程を体験していただけます。
デッドストックの活かし方のノウハウは、フィルムメーカーにとってこの先まだまだ必須課目となります。

毎回、参考上映フィルムも多数御用意。もはや死にかけていた筈のもっとも小さなこのシネマフォーマットが、燻し銀の輝きを放ってみせた三軒茶屋産の映像作品の数々もご紹介。

●三軒茶屋KEN フィルムワークショップ
フィルムの生産中止が相次ぎ、天寿をまっとうたり乱雑な扱いをうけたりしてカメラ・映写機が次々と故障してゆくなか、遂に国内では正規の現像ラボが閉鎖してしまうという限界状態にもかかわらず、三軒茶屋では映像の秘密結社を中心に数々のフィルム作品の制作に携わってきました。
KENという、この地下に降りる暗室厨房はときに映画スタジオとしてフィルムメーカーの創作的ゲリラ活動の拠点となっています。
ミュージシャン笹久保伸が率いる秩父前衛派の映像企画「PYRAMID破壊の記憶の走馬灯」「犬の装飾音」、村上賢司監督「オトヲカル」、安田哲プロデュース企画「8ミリ軍団魑魅魍魎」、そして当会場でのワークショップ企画で8ミリフィルムの自家現像を担当してきた馬渕徹と大西健児による「銀鉛画報会」プロジェクトの8ミリ作品の数々。今回上映される大西健児監督「幽霊」もまた三軒茶屋で撮影し現像されて完成した大作8ミリ作品です。このカオスな制作環境に陥った今尚、8ミリ映画でありながらも国内外の映画祭や特集上映等で紹介される骨太な映像表現を輩出しているのはこの暗室空間だけです。多くのフィルムメーカーたちの眼差しを調理してきたアート工房への体験実習にぜひ御参加ください。