2018年6月23日(土)
◉オープン:午後 3 時
◉スタート:午後 3時 30分
◉内容:古川美佳トーク&懇親会 ※書籍の販売あり
※懇親会を含め午後6時~6時半ごろまでを予定
◉参加費:1500円 書籍を購入する場合:4000円(書籍定価3400円を当日割引予定)
※参加費はドリンク代込みです。
『韓国の民衆美術』 古川美佳 岩波書店刊
『80年代の韓国民主化運動を支えた「民衆美術(ミンジュン・アート)」熾烈な抵抗の文化,芸術を社会変革へと転化させるダイナミズムはなぜ韓国で生まれたのか? その成立の背景と,現在にまで至る表現様式の変遷を体系的にたどる初の試み.人々の美意識の根源に遡りつつ,美術と政治的リアリズムの関係を照射する.私たちの怒りと抵抗の表現手段を奪回するために』
古川美佳(ミンジュン・アート)
東京生まれ.朝鮮美術文化研究.女子美術大学非常勤講師.『韓流ハンドブック』(新書館),『光州「五月連作版画―夜明け」ひとがひとをよぶ』(夜光社),『アート・検閲,そして天皇』(社会評論社)などに寄稿のほか,共同編集に『東アジアのヤスクニズム』(唯学書房)など.
以下、岩波書店のサイト
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最近僕は韓国に行ってきました。
そこで、この国の現代の美術に触れてきました。
特に日本から来た者として、色々とハッとすることがあり、発見がたくさんありました。
釜山、ソウルと小さな旅をして、私たちは美術はもちろん、古代から現在まで最も繋がりが濃いこの国についてあまりに何も知らないと感じました。
旅をして、まずは「知らない」というその事実を知り、そこには知りたいことがたくさんあること、それを身をもっ知ったのです。
そういう意味でも、僕にとってすごいタイミングでこの本は出版されました。
『韓国の民衆美術』は、古川美佳さんの文章がさらに好きになった一冊です。
これは単なる美術研究のための「アカデミック本」ではありません。
もちろん重要なファクトや客観的分析も隙なく詰まっていてそれだけでも重厚で素晴らしいですが、何よりも僕は行間から溢れてくる「民衆」に対する彼女のシンパシーと情熱なスタンス、その態度にこそ強く引き込まれるのです。
彼女の美意識、価値観が鋭く活字化されていて、それは僕の中にあったアートにおける重要なセンスに火をつけます。
「韓国の民衆美術」はまた美術だけではなく、韓国の近現代史に関心がある人にとっても決定的な書籍です。
(ご存知のように)韓国の近現代の歴史はそのまま日本のそれです。
逃げない表現、負けない表現、反発する表現。
このパワーはどこから来るのか。
韓国の、とりわけ前線にいる作家たちは、この国の激動な近現代を意識的に背負っているからではないでしょうか。
そして、これは僕自身の重要なテーマでもあり続けてきました。
それに改めて気付かされました。
古川美佳さんの言う「作為なき美」は、なぜ、どのようにして生まれたのか。
民衆と芸術の関係とは何か。
今、日本の現代美術界もそこに注目すべきだと感じずにはおれません。
今回のトークでは、書籍に掲載しきれなかった図版をいくつも投影しながら民衆美術(ミンジュン・アート)について語っていただきます。
その後は、参加者に著者と交流してもらうための懇親会があります。
僕も今から楽しみです。
それでは、皆様、6月23日にお会いしましょう!
チョワイヨー!!