壷井明 展 東京報告 vol.9 Akira Tsuboi Exhibition Tokyo Report vol.9

2017.9.23(sat)&24(sun)の二日間のみ展示!            

open 14:00 close 19:00

3.11福島第一原子力発電所事故後の福島へ足しげく向かい、現地での聞き取りをもとに核災害がもたらす傷の諸相を『連作祭壇画 無主物』として描きつづけている画家、壷井明。KENでは、描いた作品を各地の路上でゲリラ的に展示するなど、メインストリームとは別個に表現活動を展開する壷井明を希有な作家として捉え、これまで展示を行ってきました。
来年三月、韓国釜山で開催される展示『核夢2』に日本人作家として唯一招待された壷井は、その展示に際し、先立つ二か月間釜山に滞在し現地での作品制作に臨む予定です。
現在も制作過程にある連作絵画作品『無主物』と、制作の中で見えてきているものの現在地点の報告会、日本での展示は本年最後となるかもしれません。この機会にふるってご参加ください。

● 9月23日(土) イベント「原発絵画とバルトーク」ピアノ演奏:崔善愛+映像:壷井明(『無主物』より)
ゲスト:崔善愛

15:00 スタート 料金:1500円

在日韓国人としてのアイデンティティを持ち、それがゆえに日本国というものがもたらす幾多の困難に正面から対峙してきたピアニスト、崔善愛(チェ・ソンエ)氏。
彼女の強靭な表現は、つねに巨大な構造に虐げられる小さな一人一人の存在へのまなざしに貫かれている。
3.11後、まだ立ち入りが禁止されていた区域にも入った経験を持つ彼女が、壺井の作品に共鳴し、選んだのはハンガリーの巨匠バルトークの『15の農民の歌』。
彼女のまなざしは、かつてクラッシック界の、現在は巨匠とされる表現者たちも同じように保持していたまなざしだった。
そのバルトークの作品演奏に、壺井は連作絵画を簡易アニメーションのかたちに切り出し、コラボレーション的にともに上演することを本年7月から開始。
杉並での初上演後、各地で評判をよびつつあるコラボレーションをKENでも行う。
また、『表現 – 社会状況』と題して、バルトークについて、自らの表現姿勢について、壺井との二人トークを行う。

● 9月24日(日) イベント 「原発絵画と3.11後の言語表現」 詩、即興詩:森川雅美+ピアノ演奏:壷井明
ゲスト:森川雅美

15:00 スタート 料金:1500円

詩人、森川雅美は時に自作詩を朗読する。
またその会場の空気から即興的に詩を切り出すパフォーマンスを行うなど、多彩な言語表現を展開している。
言葉というものに、彼の全霊を載せてこちらに叩きつけるその表現は、詩人というものの概念を破壊するようでもあり、
また、詩人および詩というものの本来の在り様を見せてくれるようなところがある。
自身もやはり福島へ向かい、3.11後のさまざまな問題を短歌や詩にするなど鋭い制作をすすめる森川と、壺井とのセッションを上演。